クラリネットってどんな楽器?
クラリネットの歴史
クラリネットの歴史は比較的新しく、18世紀初め頃にドイツ人の楽器職人が、フランスの古楽器「シャリュモー」というリコーダーのような楽器を改造して作られたことが始まりです。
その楽器の音が昔の高音トランペットである「クラリーノ」に音色が似ていたため、「クラリネット」と名付けられたといわれています。
19世紀初めにはドイツ人の楽器職人が13個のキイが付いたクラリネットを発明し、「エーラー式」(ドイツ式)と呼ばれる楽器に発展しました。
現在もドイツ周辺などで使われており、少し暗めでツヤのある音色を持つクラリネットです。
また、フランスでは1839年に「ベーム式」(フランス式)と呼ばれる楽器が発明されました。この楽器は現在もフランスをはじめ、日本やアメリカなど世界各国で使用されており、明るく華やかな音色を持つクラリネットです。
クラリネットとは
クラリネットは木でつくられているため「木管楽器」に分類されます。
「リード」と呼ばれる振動体を息を吹き込むことによって振動させることで音を出します。リードは葦(アシ)という竹のような節を持つ植物から作られています。このリードをマウスピースにリガチャーという器具を使って固定し、息を吹き込んで音を出します。
クラリネット本体にはいくつかトーンホールと呼ばれる穴が空いており、リコーダーのように指やキイを使って塞いだり開けたりすることで音が変わります。
クラリネットの音色は、木の温かくて柔らかい音が特徴的です。音域は3オクターブ半と管楽器の中でもかなり広い分類に入ります。深みのある豊かな響きを持つ低音域から、輝かしく刺激的な響きを持つ高音域まで音を出すことができます。
音域が広いということもあり、吹奏楽やオーケストラ、アンサンブルなどではメロディーラインを担当したり、時には伴奏に回ったりと、様々な役割を果たせます。
そして、クラリネットは様々な音楽ジャンルで活躍することができます。オーケストラでは弦楽器が伴奏をしてくれるのでクラリネットは主にソロ担当として活躍します。奏者は平均的に2人か4人ですが、弦楽器の美しい響きの中からポンっと現れるクラリネット独特の音色は格別です。
吹奏楽になると、クラリネットはオーケストラで言うヴァイオリンパートの役割を担います。クラリネットパートは「吹奏楽の要(かなめ)」と言われるくらい、吹奏楽にとって必要不可欠なパートなのです。
オーケストラや吹奏楽といった大編成での活躍だけではなく、ポピュラー音楽やジャズなど、多様な音楽ジャンルに適応できるのがクラリネットの最大の魅力です。
また、クラリネットにはたくさんの家族がいます。最も一般的で皆さんがよく目にするクラリネットは「B♭(ベー)管クラリネット」と言って、その他に「E♭(エス)管クラリネット」「アルトクラリネット」「バセットホルン」「バスクラリネット」「コントラアルトクラリネット 」「コントラバスクラリネット」という種類があります。
この大家族で合奏する「クラリネットオーケストラ(クワイアー)」というクラリネット属のみで構成された演奏形態もあり、主にオーケストラの作品を演奏されることが多いです。
クラリネット特有の暖かい音色、爽快に奏でるリズム、全ての要素がオーケストラの作品を表現する最高の素材なのです。
クラリネットは無限大の可能性に溢れた何でも出来る楽器ですね…
長い長〜い文章でしたが最後まで読んでいただき、ありがとうございました!